ロードレース
高校生の頃、毎年恒例のロードレース大会があった。
男子は全10kmのコースを全生徒で競う。
先輩も後輩も関係ない。
いつも偉そうな先輩たちの鼻をあかすチャンスとばかり、後先考えずに全力で飛び出す。
スタートは完璧だ。……スタートだけは。
だが、案の定体力の限界が訪れる。
そして、惨敗。
・・・・・。
なんとも言えない悔しさの中で、戦術の大切さを痛感する。
それなのに・・・。
翌年、またもやスタートから、勢いよく飛び出す。同じ失敗のくりかえしだ。
我ながら、あまりに愚かだ。
永い時を経た今もなお、旧友と会う都度の酒肴だ。それくらいに馬鹿げたスタートダッシュだった。
そして、永い時を経た今もなお、自分の本質はあまり変わっていないようだ。
あれこれ悩まず、まずはやってみる。
しかも、やるからには全力だ。
自分の適性や限界がどこにあるのかなど、やってみないことにはわかるまい。
若者だからこそ許される無鉄砲さがあるように思う。
わが校舎の生徒諸君にもそれを期待したい。
かわりに、私自身は多少大人になって行こう。
(トク丸コラム)
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