“井の中の蛙”……に想う。

井の中の蛙は…果たしてダメなヤツなのか?

『井の中の蛙(かわず)、大海を知らず』という言葉がある。

このときの蛙は世間を知らない自惚れ屋かあるいはチャレンジ精神の欠如したダメなヤツといった存在であろうか。
確かに井戸の中で生まれ育ったかえるは、外の世界を知らないのであろう。
その点に異存はないのだが、しかしながら、井戸の中の蛙をすべてひとくくりとして語るのは、果たしてそれでよいのだろうか?

人間でも同じなのだろうが、周りを高い壁で囲まれた狭い世界の中で、その壁をただ見上げ続けて生涯を終えてゆく多くのものの中に、ごく一握りではあるが壁をねじ伏せようと挑み、そして乗り越えてゆく英雄が存在する

どちらの生き方が良いのかはわからない。もとより正解・不正解といった単純なことでもないのであろう。

しかし、後者のような生き様はしばしば後世へと語り継がれ、そしてそれを聴いた者の心を強く揺さぶる。
感動を呼ぶ。
チャレンジし、時には大きな失敗をすることもあるだろう。手痛いダメージを受けることもあるだろう。
そんな恐怖と戦い・打ち克って踏み出す一歩に私は憧れる。

狭い井戸の底に不屈の精神を持った、逞しい蛙がいることを信じたい。(トク丸コラム)

前の記事   次の記事