毎月の恒例となりつつある歌舞伎鑑賞。
昼の部か、それとも夜の部か?
たいして詳しくもない演目を、あれこれ調べて検討する。そんなのも、結構楽しい(≧◇≦)
「芸術祭十月大歌舞伎」
この十月は、昼の部を選択した。
御摂(ごひいき)勧進帳・・・ココに惹かれた。
先月の「勧進帳」の感動・・・未ださめやらず(*´▽`*)
今回の座席は!?
今回は・・・・ココ!(↓)
前回と同じ3階A席(¥6,000-)。
但し今度は、舞台全体が見えることを重視した。
で、結果的にそこは狙い通りで、舞台全体をしっかり見渡せる席だった。
視界は大体、この図(↑)のピンクの部分。
そして不思議なことに・・・初めての歌舞伎座で座った一等席より、花道が良く見える気がした・・・なぜだ?
いや、良くは見えないのだけれど・・・比較・・・すると(^^;
こんな(↑)感じ。
オペラグラスを手に入れた我らに、舞台から遠いことは、もはや何の問題もない。
というか、歌舞伎座って・・・3階席でもそれほど距離を感じないんだよねぇ。
これなら、2階の一等席など要らないしぃ・・・と、一瞬思ったのだけれど・・・。
コレ、座席の間隔が、明らかに違いますな(;”∀”)
椅子の幅もきっと違うのだろうけど、何より前の席との間隔が・・・とても狭い(>_<)
ワタシは、背は低い(もちろん足だって長くない)けれど、もの凄く窮屈で・・・疲れる(T_T)
大柄な男性だったら、きっとかなりツライだろう。
3階席なら、一番前・・・だなφ(..)メモメモ
廓三番叟
(くるわさんばそう)
◆ 配役 ◆
傾城 中村扇雀
太鼓持 坂東巳之助
新造 中村梅枝
これは踊り(所作事と言うらしい)を見る演目で、20分程度の短い舞台だ。
華やかで艶やかな衣装と、流麗な所作が目を惹く。
あぁ、きれいだなぁ(≧◇≦)
おぉ、艶っぽい踊りだなぁ(*´▽`*)
こんな風に楽しめば、イイのかなぁ・・・と。
・・・・・。
「なりこまや!」大向こうの声がかかる。
必殺の双眼鏡を覗くと、そこには確かに成駒屋然とした年配のオッサンがいるのだけれど、その所作は、どうにも全く女性にしか見えない(*´▽`*)
いやぁ・・・本当にお見事です(#^.^#)
歌舞伎にも・・・色々な楽しみ方があるなぁ。
こういう演目では、双眼鏡使わない方がイイぞ( ..)φメモメモ
来る度に新しい発見があって、楽しい(≧◇≦)
御摂勧進帳
(ごひいきかんじんちょう)
◆ 配役 ◆
武蔵坊弁慶 尾上松緑
源義経 坂東亀蔵
富樫左衛門 片岡愛之助
斎藤次祐家 坂東彦三郎
先月観た歌舞伎十八番の内「勧進帳」と随分違うのだなぁ・・・と驚いた。
ストーリーがまるで違うという訳ではないのだが、作品としての印象は完全に別物だ\(◎o◎)/
そもそも、幕が上がり・・・ん?
松羽目じゃないではないか!
完全なる勉強不足(-ω-)/
―――・―――・―――・―――・―――
安宅の関。
源平の戦の直後。
打倒平家に大きく貢献した源義経なのだが、兄の頼朝に命を狙われているという世の理不尽。
山伏に化けて奥州平泉に向かう義経一行。
ここでの悪者は、斎藤次祐家。
義経たちが山伏に化けているのは既にバレているから、そう簡単には通してくれない(というか、初めから通す気まったくない)。
ちょっと遅れて出てくる富樫が、結構力強く味方してくれるが・・・。
―――・―――・―――・―――・―――
先に書いた松羽目じゃない・・・というのも予想外だったが、義経一行登場の際に弁慶がいない。
えっ!・・・と。
有無を言わさず全員捕えようとする斎藤次祐家。
そこに・・・「待った!」と弁慶登場。
弁慶登場するけれど、状況は殆ど好転せず「全員、捕まえろ!」的な。
そこで再び「待った!」の声。
今度は奥から富樫の登場だ!
富樫が一番のヒーローっぽい(・・;)
で、「でっちあげの勧進帳」を読み上げたり、主人の義経をいたぶったり・・・という例の流れになるのだけれど・・・。
何とか切り抜け、関所を通る一行なのだが・・・。
弁慶だけは、捕らえられ関所を通してもらえない。
そして・・・。
こんな風に、色々と驚きのポイントはあったのだけれど、一番驚いたのは・・・弁慶・・・泣きますから(>_<)
―――・―――・―――・―――・―――
さて、弁慶を捕らえた番卒たちは大喜び。
縄で身動きのとれぬ弁慶をいたぶります。
「俺は弁慶ではないのに。」めそめそ泣く弁慶。
そんな弱い弁慶と番卒たちの会話。
「先に行ったみんなは今どのへんだろう?」
「今は〇〇の辺りかなぁ。」
「まだ・・・早い。」ボソリと弁慶(。´・ω・)?
「今はどのへんに行っただろう?」
「もう、□□辺りだろう。」
安全な所まで逃げたと見るや縄を切って暴れだす。
番卒たちも抵抗するが、全く歯が立たず全員首をねじ切られ、首は側の大きな天水桶に投げ込まれる。
首がたくさん入った天水桶の上に立ち、杖でかきまわす弁慶。
―――・―――・―――・―――・―――
このエンディングが、この演目の「芋洗いの弁慶」と呼ばれる所以らしい。
全体的に荒々しく、セリフも野暮ったい。
わかりやすい・・・とも言えるが。
成立はこちらの方が古く、江戸庶民に長らく親しまれてきた勧進帳はこれだという。
私は最初、この野暮ったさ(わかりやすさ)に引っ掛かりを覚えたが、調べてみると・・・少しこの勧進帳への想いに変化が生まれた。
・・・・・。
1772年の大火に焼けた江戸。
その翌年には、疫病の大流行で19万人の死者が。
そんな江戸八百八町の復興を祈り、疫病を洗い流す弁慶の芋洗い。
おおらかで力強い弁慶が、当時の災厄に疲弊した江戸庶民に活力を与える様が、目に浮かぶ。
蜘蛛絲梓弦
(くものいとあずさのゆみはり)
◆ 配役 ◆
小姓寛丸 片岡愛之助
太鼓持愛平 〃
座頭松市 〃
傾城薄雲太夫 〃
蜘蛛の精 〃
碓井貞光 尾上松也
坂田金時 尾上右近
渡辺綱 中村種之助
卜部季武 中村虎之介
源頼光 市川右團次
―――・―――・―――・―――・―――
源氏の大将「源頼光」は物の怪に憑りつかれ伏せっている。
そこに現れる小姓寛丸。不審に思った警護の者が斬りかかると、忽然と姿を消す寛丸。
その後・・・。
太鼓持の愛平、座頭松市も・・・。
頼光の寝所では久しぶりに訪ねてきた傾城薄雲太夫が、突然、本性を現して頼光に襲いかかる。頼光が宝剣、蜘蛛切丸の威徳で退散した変化のあとを追い、主従三人葛城山の蜘蛛の精の棲家にたどり着き・・・。
―――・―――・―――・―――・―――
片岡愛之助五変化相勤め申し候とあるように、早変わりは一つの大きな見せ場だ。
蜘蛛の白い糸がシャーッ!と投げられる様子も客を沸かせる。
千筋の糸と言うそうだ( ..)φメモメモ
エッ?・・・そこから出てくる?・・・という愛之助の出ハケがあったり・・・。
そういう様々なケレンが飽きさせない(≧◇≦)
そして、圧巻のラスト!
蜘蛛の精(愛之助)は、見栄を切りつつ、口を開け真っ赤な舌を!
スゲーカッコエエ\(◎o◎)/
慌てて双眼鏡で・・・ロックオン!