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なぜ撮影は禁じられるのか?
先日、すてきなお店と出会った。
きちんと手をかけた料理を、比較的良心的な価格で提供してくれる日本料理店だ。
入口には・・・。
今回はたまたま予約の電話を入れて伺ったが・・・危ないところだった。
聞くと、懐石のコースで食事を提供するから(しかも料理はすべてご主人一人で担当する)、飛び込み客に対応することが、ちょっと難しいらしい。
結構繁盛しているということなのだろう( ̄▽ ̄)
期待に胸を膨らませて、カウンターに陣取るが、そこに・・・。
「撮影はご遠慮ください」的なお願い文が置かれている。
文面は控えめで、威圧的な印象ではないけれど。
ワタシは、美味しい食事は極力記録に残したいと考えている。
このブログにも、勝手な感想を書いているし・・・。
残念でない・・・と言えば嘘になるが、仕方ない。
会話からうかがえるご主人のイメージは、決して「頑固おやじ」と言うのではない。物腰やわらかで、感じのイイご主人だ。
撮影云々に関しては、きっと「ゆったり落ち着いて、すてきな食事のひとときを過ごして欲しい」という思いの表れなのだろう。
撮影で食事は台無しになるか?
では、料理を撮影することで「食事」は台無しになってしまうものなのか?
これは、台無しになる・・・こともあるだろう。
一概には言えないけれど、SNSに投稿した画像に「誰か」が写り込んでしまっていたり、もしかしたら「作りたてをすぐに!」という料理人の想いもあるかも知れない。
『カシャッ、カシャッ・・・』という撮影音に、不快感を覚える人もあることだろう。
私は撮影するとき、お店の許可をとり、シャッター音のしないアプリのストロボなし撮影にしている。
それでも様々角度を変え、時に立ち上がり撮影するその所作が気になるという人もいるかもしれない。
何れにしても、「撮影」という行為自体が、『誰にも迷惑はかけていない』と言い切れるような類でないことは、自覚せねばなるまい( ̄ー ̄)
つまり、撮影の良し悪しはケースバイケースとなるわけだが、お店の立場に立ってみれば、そのケースを一つ一つ事細かに・・・すべての客に説明するのは、やっぱり大変なことだろう。
・・・で、
「撮影はご遠慮ください。」となる訳だ。
これは、理解に難くない。
じゃあ、どうすれば良いのか?
では、法令で撮影を禁ずればよいのか?・・・と言えば、そう単純な問題でもないだろう。
今や、「インスタ映え」なるワードもあるくらい、SNSは集客の為の重要なマーケティング戦術となっている。
「撮影を控えてもらいたいお店」の一方で「どんどん撮影して欲しい店」も確実に存在する。
以前、撮影の可否を伺ったときに、こんなご主人がいらっしゃった。
「撮影歓迎なんですけど、仕入れ状況により料理は変わるから・・・SNSにアップするなら、それも書いてもらえますか。」
なるほど・・・。
想いは様々だ。
つまりは、自分が楽しむだけでなく、周りの皆の「時」と「空間」も気遣えることが重要なのだろう。
あとは、不特定多数へ向いた「情報」の有効性・・・か?
メディアの進化と共に、生活も進歩する。
価値観が変化する。
SNSは、自己主張のメディアだ。
しかも限りなく一方通行の「言いっぱなし」に近い。
バイトの動画テロ・・・炎上・・・。
炎上?・・・そうか・・・言いっぱなしでもないのか。
「強烈な自己愛」を根っこに持つメディアが、全世界に向けた「爆発的な拡散力」を持つという・・・この危うさが、ムズカシイ問題を生み出す。
この道は、己一人で歩いているわけではない
それを忘れぬよう・・・気を付けねば。