Chaplin KABUKI NIGHT@国立劇場で歌舞伎(*’▽’)

クリスマス。
聖なる夜に観る歌舞伎は・・・。

「蝙蝠の安さん」は、チャップリン映画「」を下敷きとした作品だ。
Chaplin KABUKI NIGHT
と銘打って、昭和6年初演の舞台を、チャップリンファンである十代目 松本幸四郎が、88年ぶりに復活させた。
※蝙蝠の安さん予習用あらすじコチラ

今回の観劇はだ。
これまで歌舞伎座の舞台しか見ていないから、その点でもちょっとワクワクする。

半蔵門駅から劇場へ歩きつつ感じる。
歌舞伎座とは違う落ち着いた空気。

煌びやかな歌舞伎座もイイけれど、こういう厳かなのも雰囲気あるなぁ(*’▽’)

チャップリン生誕130年。

入場すると、まず記念品(?)をもらえる。

このチャップリンの栞。

裏を返すと・・・。

安さんが・・・!
結構・・・嬉しいや(*’ω’*)

◆ 配役 ◆
蝙蝠の安さん 松本幸四郎
花売り娘お花 坂東 新悟
上総屋新兵衛 市川 猿弥

原作がチャップリンの『街の灯』だから・・・。
※古い作品です。ご存じない方は是非とも「安さん」のあらすじを

『街の灯』だから・・・どこかコミカルな表現の中にも哀愁漂う・・・いろいろと考えさせられる作品だ。

冒頭、ありがたい大仏のお披露目から始まる舞台。
街の灯では、平和と繁栄の式典みたいなのだったか?
ありがたい大仏だ・・・平和と繁栄だ・・・と言っても、安さんの身なりを見る限り、少なくとも裕福ではないだろう。理想と現実。いや、虚構の豊かさ・・・なのかな?
そう思うと、なんとも切なく・・・ちょっぴり残酷な気もするオープニングだ。安さんが、そう言う悲壮感を漂わせている訳では、まったくないのだけど。

そして、目の見えないお花の力になろうと頑張る安さん。
けれど結局、想いだけでは助けてあげられぬ現実。

途方に暮れる。

そんな風に・・・安さんが必死に頑張って作れなかった大金も、金持ちの新兵衛にとっては、ほんの小遣い銭程度のもの。・・・ここにも、切ない現実。

その飲み友達の新兵衛は、素面になると安のことを全く覚えていないという。
金持ち新兵衛とその日暮らしの安。
酔っている間だけの、虚構のような友達・・・う~む。
住む世界が違う金持ちと貧乏人・・・orzガックリ

そしてラスト。

貧しい盲目の花売りと、その日暮らしの安さん。そういう互いに苦しい(?)境遇の二人・・・だったのに・・・。

お花は、成功者の側に立場が変わって。

目も治り、花屋を経営する「お花」の元を、刑務所を出た安が訪れる。
幸せな「お花」を遠くから見るだけでうれしそうな安。

(勇気を出して、遠慮がちに話しかける)
安さん目は・・・治ったんですね。

(事情が呑み込めず少し戸惑った後)
お花:あぁ、あなたもあの長屋に住んでいたのね。
お花:それにしても、随分ひどい恰好ね。
あなたの今があるのは、安さんのおかげなのだけれど・・・(T_T)

(やがて、紳士だと思っていた恩人がこの男だと気づく)
安さんが自分の恩人だとわかっても尚、みすぼらしい格好の安さんにショックを隠せないお花。
お花に貰った菊の花を大事に抱え、その場を去る安さん。
お花の成功を喜びつつ、自分が恩人だとアピールすことなど勿論無く。

でも・・・安さんの表情は複雑だ。
もとより見返りを求めていたのではないけれど・・・。

今回、花道近くの席を確保できて、本当に良かった。
花道をハケて行く安さん(幸四郎)の表情が、ワタシの中で今回の舞台のすべてとなった。
チャップリン映画の大ファンだという彼と安さんがピタリと重なったこのエンディング。

涙なしにはちょっと見られない。

 

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